関西大学 確率論セミナー
Probability Seminar at Kansai University
月一回,あるいは隔週を目処に,関西大学第 4学舎 1号館2階数学科実験実習室(大セミナー室)を主な会場として行っています.
- 日時/Date: 2023年 7月 15日(土曜)/15(Sat.), July 2023
- 場所: 関西大学第4学舎1号館2階数学科実験実習室/Kansai University, 4th School Area, 1st Build., 2nd fl. Math. Dep.
seminar Room
- 時間/Time: 15:00 -- 16:30
- 発表者/Speaker: Konstantin Merz (Technische Universität Braunschweig/Osaka University)
- 題目/Title: On some functional inequalities for generalized Hardy operators.
- 要旨/Abstract: We consider ordinary and fractional Schrödinger operators with Hardy
potentials. These operators generate natural scales of homogeneous Sobolev spaces,
which we compare with the ordinary homogeneous Sobolev spaces.
The analysis relies on heat kernel estimates, recently established by Bogdan-Grzywny-Jakubowski-Pilarczyk,
Jakubowski-Wang, and Cho-Kim-Song-Vondracek. We apply the equivalence of Sobolev norms and heat kernel
estimates to analyze the ground state density of large relativistic atoms close to the nucleus.
Based on joint works with Krzysztof Bogdan, Rupert Frank, Heinz Siedentop, and Barry Simon.
- 日時/Date: 2023年 7月 22日(土曜)/22(Sat.), July 2023
- 場所: 関西大学第4学舎1号館2階数学科実験実習室
- 時間/Time: 15:00 -- 16:30
- 発表者/Speaker: 森 隆大氏 (京都工芸繊維大学) /Takahiro Mori (Kyoto Institute of Technology)
- 題目/Title: TBA
これまでの講演/Past Data
2023年度
- 日時/Date: 2023年 6月 23 日(金曜)/23(Fri.), June 2023
- 場所: 関西大学第4学舎1号館2階数学科実験実習室
- 時間/Time: 15:40 -- 16:40
- 発表者/Speaker: 濱名 裕治氏 (筑波大学) /Yuji Hamana (Tsukuba University)
- 題目/Title: ブラウン運動の球面への到達時刻と到達位置について
- 日時/Date: 2023年 6月 10 日(土曜)/10(Sat.), June 2023
- 場所: 関西大学第4学舎1号館2階数学科実験実習室
- 時間/Time: 15:00 -- 16:30
- 発表者/Speaker: 長田 博文 氏 (中部大学) /Hirofumi Osada (Chubu University)
- 題目/Title: 垂直カレドシャンとDirichlet 形式の一意性について
- 要旨/Abstract: 要旨
2022年度
- 日時/Date: 2023年 3月 4 日(土曜)/ 4(Sat.), March 2023
- 場所: 第4学舎1号館2階数学科実験実習室
- 時間/Time: 15:00 -- 16:30
- 発表者/Speaker: 永幡 幸生 氏 (新潟大学) /Ykio Nagahata (Niigata University)
- 題目/Title: Zero range process のスペクトルギャップに関して
- 要旨/Abstract: Zero range processは粒子系のモデルとして典型的なものである。
スペクトルギャップの評価があると、KPZ方程式が導出できるなど多くの結果があるが、
一方でいくつかの例を除いて評価がない。今回の話では既存研究をいかにして拡張するかを与え、
その適用例を挙げる。
- 日時/Date: 2023年 1月 28日(土曜)/ 28 (Sat.), Jan. 2023
- 場所: 関西大学 第4学舎3号館4階3401 教室/Kansai University, 4th School Area, 3rd Buld., R3401
- 時間/Time: 13:00 -16:40
- 発表者/Speakers:
- Panki KIM (Seoul National University, Republic of Korea)
- Kaneharu TSUCHIDA (National Defense Academy of Japan)
- Takanobu HARA (Hokkaido University, Japan)
- プログラム/Program:
- 13:00 - 14:00 Takanobu HARA, Strong barriers for weighted quasilinear equations
- 14:20 - 15:20 Kaneharu TSUCHIDA, On a convergence of positive continuous additive functionals
- 15:40 - 16:40 Panki KIM, Markov processes with jump kernels degenerating at the boundary
- Program with the abstracts :
program
- 日時/Date: 2022年 7月 9日(土曜)/ 9(Sat.), July 2022
- ハイブリッド形式/hybrid seminar
- 場所: 第4学舎1号館2階数学科実験実習室
- 時間/Time: 15:00 -- 16:30
- 発表者/Speaker: 塩沢 裕一 氏 (大阪大学) /Yuichi Shiozawa (Osaka University)
- 題目/Title: Remarks on the limiting behaviors of generalized elephant random walks
- 要旨/Abstract: 整数格子上の一般化エレファントランダムウォークとは、記憶を持つ離散時間確率過程のことであり、
各ステップの分布が以前のステップ全体の挙動に依存して定まる。
この依存性とランダムドリフトそれぞれの強度を表すパラメータ列から、
一般化されたエレファントランダムウォークの増大度およびガウス型変動に関する尺度要素が、
どのように定まるのかを明らかにする。
さらに、尺度要素の計算例を紹介する。
- 日時/Date: 2022年 6月 18日(土曜)/ 18(Sat.), June 2022
- Zoom seminar
- 時間/Time: 15:00 -- 16:30
- 発表者/Speaker: 山崎 和俊 氏 (クイーンズランド大学,オーストラリア) /Kazutoshi Yamazaki (The University of Queensland, AU)
- 題目/Title: Scale matrices for Markov additive processes: a series expansion formula and applications
- 要旨/Abstract: We derive a new series expansion formula for the scale matrix for Markov additive processes with a constant drift and general finite-activity one-sided jumps. This generalizes the series expansion formula of the scale function obtained in Landriault & Willmot (Scand. Actuar. J., 2020) for the Cramer-Lundberg process. Its applications in ruin theory and sequential testing are discussed. Joint work with J. Ivanovs (Aarhus University).
- 日時/Date: 2022年 6月 11日(土曜)/ 11(Sat.), June 2022
- hybrid/ハイブリッド形式
- 時間/Time: 15:00 -- 16:30
- 発表者/Speaker: 森 隆大 氏 (京都工芸繊維大学) / Takahiro Mori(Kyoto Institute of Technology)
- 題目/Title: 非有界領域上のブラウン運動に対するintersection measureの大偏差原理
- 要旨/Abstract: DonskerとVaradhanがBrown運動の滞在測度について時間無限大での大偏差原理(LDP)を示した様に, KönigとMukherjeeはp本のBrown運動のintersection measureについてLDPを示したが, 証明手法に固有函数展開を使用しているために有界領域上の吸収壁Brown運動の場合の(full) LDPまでしか示されなかった. 本講演では, 証明手法の改良により有界領域の条件が外され, 非有界領域, 特にユークリッド空間全域でのweak LDPが得られたことを説明する. 本講演は arXiv:2005.09219 に基づく.
2021年度
- 日時/Date: 2022年 3月 15日(火曜)/ 15(Tues.), March 2022
- ハイブリッド形式
- 時間/Time: 13:30 -- 15:00
- 発表者/Speaker: 濱名 裕治 氏 (筑波大学) /Yuji Hamana (Tsukuba University)
- 題目/Title: Square-root boundaries for Bessel processes
- 日時/Date: 2022年 1月 15日(土曜)/ 15(Sat.), January 2022
- ハイブリッド形式
- 時間/Time: 14:50 -- 16:20 (I)
- 発表者/Speaker: 大井 拓夢 氏 (京都大学数理解析研究所 博士課程) / Takumu Ooi (RIMS, Kyoto University)
- 題目/Title: Dirichlet形式を共分散とするガウス場のマルコフ性と強マルコフ性
- 要旨/Abstract: Dirichlet形式を共分散とするガウス場がマルコフ性を満たすこととDirichlet形式がlocalであることの同値性について述べる。
これはDirichlet形式がtransientの場合はRöckner(1985)が証明し、recurrentで(AC)条件と呼ばれる条件を満たす場合は福島,大島(2018)が証明した。
さらに福島,大島(2021)はrecurrentな場合にマルコフならばlocalであることも示した。本講演ではこの残りの部分の証明について説明した後に、強マルコフ性についても述べる。
- 時間/Time: 16:30 -- 18:00 (II)
- 発表者/Speaker: 北川 潤 氏 (ミシガン州立大学) / Jun KITAGAWA (Michigan State Univ.)
- 題目/Title: 最適輸送と放物線型モンジュ・アンペール方程式
- 要旨/Abstract: 最適輸送問題の解を求める手法として、ある放物線型方程式の定常解から導くというものがある。
本講演ではこの放物線型方程式の解の正則性、及び時間が無限に行く場合の漸近挙動について話す。一部 F.Abedin との共同研究に基づく。
- 日時/Date: 2021年 11月 6日(土曜)/ 6(Sat.), November 2021
- zoom seminar
- 時間/Time: 15:00 -- 16:30
- 発表者/Speaker: 岡嵜 郁也 氏 (東北大学大学院理学研究科) / F. Okazaki (Tohoku University)
- 題目/Title: Fractional harmonic map に対応する部分多様体上のマルチンゲールについて
- 要旨/Abstract:
リーマン多様体間の可微分調和写像は定義域のブラウン運動を値域の多様体上の連続マルチンゲールに写すことが知られている.
本研究では fractional harmonic map の確率論的な対応物を考える. Fractional harmonic map はDa Lio, Rivi`ere (2011) により導入された分数冪ラプラシアンに関する調和写像であり, これは部分多様体をターゲットとする非局所ディリクレ形式に関する調和写像の一例である. 本講演では部分多様体上の不連続なマルチンゲールを適当に定義すれば, 非局所の場合においても, 対応するマルコフ過程を通して調和写像を確率過程により考察できることを紹介する. またそのように定められたマルチンゲールの概収束に関する命題を示し, 調和写像への応用を述べる.
- 日時/Date: 2021年 10月 23日(土曜)/23(Sat.), October 2021
- zoom seminar
- 時間/Time: 09:00 -- 10:00
- 発表者/Speaker: 小宮山 純平 氏 / Junpei KOMIYAMA (NYU Stern School of Business, US)
- 題目/Title:バンディット問題と最適腕識別問題
- 要旨/Abstract:
本講演では、多腕バンディット問題およびその亜種である最適腕識別問題についての主結果を紹介する。
多腕バンディット問題(バンディット問題、multi-armed bandit problem)は、
複数のアームと呼ばれる候補から最も良いものを逐次的に探す問題である。
アームという奇妙な単語はこの問題のもとになったスロットマシン(バンディットマシン)の比喩から来ている。
予測者はいくつかのスロットマシンを与えられ、それぞれのスロットマシンを引くと対応した(ランダム性のある)報酬が得られる。
予測者の目標は繰り返すアームの選択を通じて得られる報酬を最大化することである。
バンディット問題のテーマは探索と活用のトレードオフである。短期的には、
現時点での経験期待報酬が高いアームを引くのが良い(情報の活用)。しかし、
真の期待報酬が高いアームが、これまでたまたま運悪く少ない報酬しか得られていなかったということが低確率で発生する。
これを防ぐためには、すべてのアームを全体的に引く必要がある(情報の探索)。
予測者は、良いアルゴリズムに従って情報の活用と探索をバランスする必要がある。
また、バンディット問題の亜種で情報の探索の効率化のみに興味を絞った最適腕識別問題(best arm identification)についても紹介する。
バンディット問題に関する研究は、大きく分けてアルゴリズムに関する研究と、
どのような実問題をバンディット問題のモデル枠組に落とし込むかという研究に分かれる。
本講演では、前者のアルゴリズムの構成について大偏差原理との関係を解説する。
-
slide
- 日時/Date: 2021年 9月 25日(土曜)/25(Sat.), September 2021
- ハイブリッド形式 (Zoom;
関西大学第4学舎1号館 1301教室/Kansai University, 4th School Area, 1st Buld., R1301)
- 時間/Time: 15:00 -- 16:30
- 発表者/Speaker: 原 宇信 氏 (北海道大学) / Takanobu HARA (Hokkaido University)
- 題目/Title: Lp-Lqトレース不等式とその特異楕円型問題への応用
- 要旨/Abstract: Lp-Lqトレース不等式とよばれる埋め込み定理の q<p の場合を考察する.
特に Green 関数を用いて不等式成立の必要十分条件を与える. さらに結果を領域境界で発散する非線形項をもつ楕円型方程式の均質化問題へ応用する.
- 日時/Date: 2021年 6月 26日(土曜)/26(Sat.), June 2021
- zoom seminar
- 時間/Time: 15:00 -- 16:00
- 発表者/Speaker: 上村 稔大 / Toshihiro Uemura (Kansai University)
- 題目/Title: Some estimates of symmetric stable-type processes with
singular/degenerate Lévy densities
- 要旨/Abstract:
原点で発散する,または退化する密度を持つ対称 α-安定型過程を Dirichlet 形式を通じて考える.
対応するマルコフ過程について,いくつか分かったことを報告する.本講演は竹田 雅好氏との共同研究である.
- 日時/Date: 2021年 6月 19日(土曜)/19(Sat.), June 2021
- zoom seminar
- 時間/Time: 09:00 -- 10:00
- 発表者/Speaker: 大和田 孝 氏 / Takashi Owada (Purdue University, US)
- 題目/Title: Limit theorems for topological invariants of extreme sample cloud.
- 要旨/Abstract: The main objective of this work is to study topological crackle
from the viewpoints of Topological Data Analysis (TDA) and Extreme Value Theory.
TDA is a growing research area that broadly refers to the analysis of high-dimensional datasets,
the main goal of which is to extract robust topological information from datasets.
Topological crackle typically appears in the statistical manifold learning problem,
referring to the layered structure of homological cycles generated by ``noisy" samples,
where the underlying distribution has a heavy tail. We establish various limit theorems
(e.g., central limit theorems, strong laws of large numbers) for topological objects,
including Betti numbers -- a basic quantifier of homological cycles, and the Euler characteristics.
- 日時/Date: 2021年 5月 22日(土曜)/22(Sat.), May 2021
- zoom seminar
- 時間/Time: 14:40 -- 16:10 (I)
- 発表者/Speaker: 濱口 雄史 氏 (大阪大学大学院 基礎工学研究科) / Yushi Hamaguchi (Osaka University)
- 題目/Title: 無限時間後退確率 Volterra 積分方程式と確率制御
- 要旨/Abstract:
本講演では、無限区間 $[0,\infty)$ 上で定義される後退確率 Volterra 積分方程式とその確率制御への応用について得られた結果を紹介する。
後退確率 Voltera 積分方程式 (backward stochastic Volterra integral equation; BSVIE) とは、後退確率微分方程式
(backward stochastic differential equation; BSDE)の Volterra 型の拡張である。Yong (PTRF, 2008) によってBSVIEが導入されて以降、
時間非整合性を考慮した確率制御問題や、(前進)確率 Volterra 積分方程式 (stochastic Volterra integral equation; SVIE) に関する確率制御問題への応用を念頭に、
BSVIEの諸性質が盛んに研究されてきた。しかし、既存の BSVIE に関する理論や確率制御への応用は、いずれも有限時間の設定に限定されている。
本研究では、「無限時間 BSVIE」を導入し、有限時間 BSVIE についての既存の結果を、時間に関する重み付き$L^2$空間上に拡張・精密化した。
また、特異な係数を持つ SVIE に関する無限時間上で定義された確率制御問題の最適戦略を、上述の無限時間 BSVIE を用いて特徴付けた。
これらの結果の例として、先行研究では扱えなかった、非整数ブラウン運動を含む非整数階 SDE(Caputo fractional SDE) の制御問題や、非有界な遅れを持つ
SDE(stochastic integro-differential equation) の制御問題において、最適戦略の特徴付けに成功した。
参考文献:
- Y. Hamaguchi, Infinite horizon backward stochastic Volterra integral
equations and discounted control problems, preprint, arXiv:2105.02438
- 時間/Time: 16:30 -- 18:00 (II)
- 発表者/Speaker: 森 隆大 氏 (京都大学 数理解析研究所) / Takahiro Mori (Kyoto University, RIMS)
- 題目/Title: L^p-Kato class measures and their relations with Sobolev embedding theorems for Dirichlet spaces
- 要旨/Abstract:
本講演では, Dirichlet 空間の Lebesgue 空間への連続埋め込みと, 付随するレゾルベント核の可積分性について議論する.
これは加藤クラス測度に関する Stollmann-Voigt 不等式の L^p への拡張であり, 対応するクラスも加藤クラスの L^p 版となる.
逆に L^{2p'} への連続埋め込みから p<p'に対する L^p-加藤クラスが得られることも説明する.
次に, レゾルベントの減衰のオーダーの評価を持つ L^p-加藤クラスのサブクラスと,
Gagliardo-Nirenberg 型の補間不等式との関係を述べる. 時間に余裕があれば Dirichlet 空間と L^2
空間の補間空間との関係も述べたい. 最後に応用として, L^p-加藤クラスと, 複数の独立な Markov
過程に関する交差測度の時間に関するH\"older連続性との関連を述べる.
本講演は [Mori (2021), doi.org/10.1016/j.jfa.2021.109034]に基づく.
- 日時/Date: 2021年 4月 24日(土曜)/24(Sat.), April 2021
- zoom seminar
- 時間/Time: 18:00 -- 19:00
- 発表者/Speaker: 早川 知志 氏 / Satoshi Hayakawa (University of Oxford, UK)
- 題目/Title: Estimating the probability that a given vector is in the convex hull of a random sample
- 要旨/Abstract: 独立同分布な確率ベクトルをいくつか生成した際,その凸包に空間上の定点 θ が含まれる確率を考える.
本講演では,この確率に Tukey depth と呼ばれる量(θ を含む閉半空間の測度の下限)が密接に関わっていることを示し,
先行研究では得られていなかった向きの鋭い評価を与える.またその結果と Berry-Esseen 型の評価を合わせることで,
確率ベクトルのモーメントのみに基づいた一般的な評価も与える.時間が許せば、この問題の背景にある cubature とその確率的アルゴリズムによる構成についても触れる.
本講演は Terry Lyons,Harald Oberhauser 両氏(University of Oxford)との共同研究に基づく.
2020年度
- 日時/Date: 2021 年 1月 23日(土曜)/23 (Sat.), Jan. 2021
- zoom seminar
- 時間/Time: 14:40 -- 15:50 (I)
- 講演者/Speaker: 井上 敦史 氏 (北海道大学大学院 理学院数学専攻)/ A. Inoue (Hokkaido Univ.)
- 講演題目/Title: Essential self-adjointness of discrete Schrödinger operators ─ limit point-limit circle theory and stability result ─
- 講演要旨/Abstract:
本講演では,離散シュレディンガー作用素の本質的自己共役性について考察する.まず,(開区間に対する)Weylのlimit point-limit circle理論を測度付き整数に対して定式化し,そこから本質的自己共役性の特徴づけを行う.次に,その結果の応用として,Cauchy境界のMinkowski codimensionと離散ラプラシアンの本質的自己共役性の関係を示唆するグラフの族を構成する.この例は,Riemann多様体に関するU. Boscain – D. Prandi(2016. JDE)の例の離散版と捉えることができる.最後に,グラフのある操作に対する離散ラプラシアンの本質的自己共役性の安定性を示す.本講演は,発表者の研究成果及び発表者と正宗 淳 氏(北海道大学),Wojciechowski Radoslaw 氏(The City University of New York)との共同研究により得られた成果を含む.
- 時間/Time: 16:20 -- 17:30 (II)
- 講演者/Speaker: 山戸 康祐 氏 (京都大学大学院 理学研究科)/ K. Yamato (Kyoto Univ.)
- 講演題目/Title: A unifying approach to non-minimal quasi-stationary distributions for one-dimensional diffusions
- 講演要旨/Abstract:
一次元拡散過程は, 一定の条件の下で非可算無限個の準定常分布をもつことが知られている.
その吸引域 (条件付き分布が特定の準定常分布に収束する初期分布のクラス)
を調べるのは自然な問題であるが, 非極小な準定常分布についてはごく少数の先行研究しかなかった.
本講演では境界のみで死滅が起こる場合に, 準定常分布の吸引域は最小到達一意性という性質を通じて,
到達時刻分布の裾の挙動に帰着できること, 及び, その具体例への応用を紹介する.
- 日時/Date: 2020 年 12月 19 日 (土曜)/ 19 (Sat.), Dec. 2020
- zoom seminar
- 時間/Time: 15:00 -- 16:10
- 講演者/Speaker: 松浦 浩平 氏 (筑波大学)/ Kohei MATSUURA (Tsukuba Univ.)
- 講演題目/Title: Hölder estimates for resolvents of time-changed planar Brownian motions
- 講演要旨/Abstract:
平面ブラウン運動の時間変更に付随するレゾルベントの(空間変数についての)
ヘルダー連続性について考える。ここで時間変更はブラウン運動の正値連続加法汎関数によるものである。
対応するRevuz測度がルベーグ測度について特異であっても、それがある種の正則性をもつならば、
平易な議論によりレゾルベントのヘルダー連続性が示される。しかし、その指数の定量評価については
(幾つかの具体的なRevuz測度の場合でも)詳しい研究がなされていなかった。本講演では、
このヘルダー連続性の指数の下からの評価を与え、Revuz測度の正則性との関係について議論する。
- 日時/Date: 2020 年 8月 27 日 (木曜)/ 27 (Thr.), Aug. 2020
- zoom seminar
- 時間/Time: 15:30 -- 16:30
- 講演者/Speaker: 寺本 央 氏 (北海道大学 電子科学研究所)/ Hiroshi TERAMOTO (Hokkaido Univ.)
- 講演題目/Title: 計算機で挑戦する写像の特異点の分類とその応用
- 講演要旨/Abstract:
本講演における特異点とは写像のヤコビ行列のランクが最大のそれよりも小さい点のことをさす。そのような特異点は結晶のバンド構造の分岐の瞬間、多目的最適化問題のパレート集合等のさまざまな応用にあらわれる。本講演ではそれらの応用に特異点がどのようにあらわれるかを説明し、それらの特異点を分類するためのアルゴリズムの概略を説明する。本講演の内容の詳細を知りたい方は以下の文献を参照のこと。
- 日時/Date: 2020 年 7月 18 日 (土曜)/ 18 (Sat.), July 2020
- zoom seminar
- 時間/Time: 17:00 -- 18:00
- 講演者/Speaker: Kevin Lu (The Australian National University)
- 講演題目/Title: Self-decomposability of weak variance generalised gamma convolutions
- 講演要旨/Abstract:
We discuss the self-decomposability of weak variance generalised gamma convolutions in the multivariate setting.
This class includes a wide range of processes used to model asset prices, including the variance-gamma process,
which evaluates the time parameter of a Brownian motion at a gamma process, but generalised in a couple of ways.
Specifically, the subordinator is a generalised gamma convolution instead of a gamma process,
and a more general time-change operation known as weak subordination is used, which ensures the result is always a Levy process.
We give necessary and sufficient conditions for self-decomposability in terms of the Brownian motion subordinate being driftless,
assuming some moment condition on the underlying Thorin measure,
and mention some applications of these results to the stationary distributions of multivariate Levy-driven Ornstein-Uhlenbeck processes.
2019年度
- 日時/Date: 2020 年 1月 25 日 (土曜)/25 (Sat.) Jan., 2020
- 場所/Place: 関西大学第4学舎1号館 1301教室/Kansai University, 4th School Area, 1st Buld., R1301
- 時間/Time: 15:00 -- 16:30
- 講演者/Speaker: 上原 悠槙 氏 (統計数理研究所)/ Yuma UEHARA (The Institute of Statistical Mathematics)
- 講演題目/Title: Bootstrap Gaussian maximum quasi-likelihood estimator for misspecified ergodic SDE models
- 講演要旨/Abstract:
エルゴード的確率微分方程式からの高頻度観測に基づくガウス型擬似最尤推定量は、
収束レートの差異はあれど様々な分布特性を持つ駆動ノイズに対して機能する。
しかし、想定する統計モデルが誤特定された下では、
当該推定量の漸近分散には誤特定バイアス補正に伴うポテンシャル関数が現れる。
これにより、漸近分散の一致推定量を得ることが困難となる。
本講演ではこの問題に対し、ブロック和に対するブートストラップ型の推定量を構築し、
それが元の推定量の漸近分布の近似量となっていることを示す。
- 日時/Date: 2019 年 7月 20 日 (土曜)/20 (Sat.) July, 2019
- 場所/Place: 関西大学第4学舎1号館 1301教室/Kansai University, 4th School Area, 1st Buld., R1301
- 時間/Time: 14:40 -- 16:10 (I)
- 講演者/Speaker: Velleret Aurélien (Aix Marseille Université, France)
- 講演題目/Title:
Generalization of Harris recurrence to Feynman-Kac models with some applications to eco-evolutionary dynamics.
- 講演要旨/Abstract: I shall present a way to tackle the issue of the long-time behavior of
a stochastic process biased in some Feynman-Kac representation. With the assumptions I propose,
we can deduce the quasi-ergodicity of the model. It includes notably the exponential convergence
in total variation of the marginals to a unique quasi-stationary distribution, and the convergence
of the empirical average to a unique quasi-ergodic distribution. The foundation of the proof is the
time-inhomogeneous version of Harris recurrence, so the technique does not rely on any reversibility
condition and can be applied to space- and time-continuous processes. A specific focus is laid on models
with a non-uniform convergence and discontinuous trajectories. In models of eco-evolutionary dynamics,
such Feynman-Kac representation is naturally derived from the description of a « typical »
individual when death and repoduction events take place. There are also promising applications
from Large Deviation theory.
- 時間/Time: 16:30 -- 18:00 (II)
- 講演者/Speaker: 金 大弘 氏(熊本大学工学部)/Daehong KIM (Kumamoto University)
- 講演題目/Title:
Scattering length of positive potentials and applications.
- 講演要旨/Abstract: In this talk, we study the scattering length for positive additive functionals
of symmetric stable processes on a d-dimensional Euclidean space. The additive functionals considered here
are not necessarily continuous. We shall consider the semi-classical asymptotic problems for the scattering
length of positive potentials. We also consider, as an application, certain equivalent criterion for the
fractional Laplacian with a measure valued non-local operator as a perturbation to have purely discrete
spectrum in terms of the scattering length.
- 日時/Date: 2019 年 5月 18 日 (土曜)/18 (Sat.) May, 2019
- 場所/Place: 関西大学第4学舎1号館3階1302教室/Kansai University, 4th School Area, 1st Buld., R1302
- 時間/Time: 15:40 -- 17:10
- 講演者/Speaker: 田口 大 氏 (大阪大学大学院基礎工学研究科)/ Dai TAGUCHI (Osaka Univ.)
- 講演題目/Title: Probability density function of SDEs with unbounded and path--dependent drift coefficient
- 講演要旨/Abstract: In this talk, we prove that the existence and Gaussian two-sided bound
for a probability density function of a solution of SDEs with unbounded and path-dependent drift coefficient.
We also provide two explicit representations for the density. The first representation is
an analogue of Levi's parametrix method and the second representation is related to Maruyama's proof of
Girsanov Theorem. The idea of the proof is to use "local" Novikov condition and Maruyama-Girsanov transformation.
As an application of explicit representation, we provide the rate of convergence for the Euler--Maruyama approximation.
This talk is based on joint work with Akihiro Tanaka.
- 日時/Date: 2019 年 5月 17 日 (金曜)/17 (Fri.) May, 2019
- 場所/Place: 関西大学第4学舎1号館2階数学科実験実習室/Kansai University, 4th School Area, 1st Buld., Mathematics Seminar Room
- 時間/Time: 15:00 -- 16:00
- 講演者/Speaker: 濱名 裕治 氏 (熊本大学)/ Yuji HAMANA (Kumamoto Univ.)
- 講演題目/Title: The transition densities of radial symmetric stable processes
2018年度
- 日時/Date: 2019 年 1月 26 日 (土曜)/26 (Sat.) January, 2019
- 場所/Place: 第4学舎1号館1301教室
- 時間/Time: 15:00 -- 16:30
- 講演者/Speaker: 北川 潤 氏 (ミシガン州立大学)/ Jun KITAGAWA (Michigan State Univ.)
- 講演題目/Title: 境界をもつ放物線型最適輸送の指数関数的収束
- 講演要旨/Abstract: 最適輸送問題(Monge-Kantorovich問題)は楕円型方程式であるMonge-Ampère型方程式を解くことによって解を求められる.
よって,放物線型方程式の定常解として求める手法も考えられる.本講演では輸送が起こる集合の境界が空でない場合,放物線型方程式の解の(定常解への)指数関数的収束を示す.
手法としては Li-Yau Harnack 不等式の応用であるが,境界が空でないことによりHarnack不等式自体が直接証明できないため最適輸送特有の性質を利用して指数関数的収束を示す.
また,おどろくことに,Kim-McCann による最適輸送から導かれる擬リーマン計量との関連性も見られるのでその紹介もする.本講演の内容は F. Abedin(Michigan State University)
との共同研究に基づく.
- 日時/Date: 2018 年 12月 8 日 (土曜)/8 (Sat.) December, 2018
- 場所/Place: 第4学舎1号館1301教室
- 時間Time: 15:00 -- 16:30
- 講演者/Speaker: 浜口 雄史 氏 (京都大学大学院理学研究科)/Yushi HAMAGUCHI (Kyoto University, Japan)
- 講演題目/Title: Foellmer--Schweizer decompositions in large financial markets: A BSDE approach
- 講演要旨/Abstract: 有限次元セミマルチンゲールにより記述されるマーケットモデルにおいて,クレームの
quadratic hedging strategy は L^2-random variable の Foellmer--Schweizer 分解により特徴付けされる.
さらに,Foellmer--Schweizer 分解は一般のマルチンゲールにより駆動する線形後退確率微分方程式(BSDE)
の解として記述される.本講演では,(非可算)無限個の取引財からなる large financial market における
quadratic hedging problem を念頭に, Foellmer--Schweizer 分解の概念を無限次元セミマルチンゲールモデルに拡張する.
より一般に, 無限次元マルチンゲールにより駆動する Lipschitz 型 BSDE を考え,解の存在と一意性,
および有限次元近似について得られた結果を紹介する. この結果により,無限次元モデルにおける Foellmer--Schweizer
分解が,有限次元モデルにおける Foellmer--Schweizer 分解により近似されることが従う.
- 日時: 2018 年 10月27 日 (土曜)
- 場所: 第4学舎1号館1301教室
- 時間: 14:30 〜 16:00 (I)
- 講演者: 山戸 康祐 氏 (京都大学大学院理学研究科)
- 講演題目: 跳躍流入をもつ拡散過程の逆局所時間に対する極限定理とその応用
- 講演要旨: 半直線上の強マルコフ過程で, 状態空間の内部では連続な道をもち,
原点に達すると跳躍によって状態空間内部に流入するものを考える. このような確率過程を跳躍流入をもつ拡散過程と呼ぶことにする.
跳躍流入をもつ拡散過程は拡散過程部分を特徴づけるスピード測度と, 原点からの跳躍の法則を特徴づける跳躍測度の2つの特性量で決まることが知られている.
本講演では跳躍流入をもつ拡散過程の原点における逆局所時間のスケール極限をスピード測度と跳躍測度による条件の下で与える.
またこの結果の応用として, 2つの跳躍流入をもつ拡散過程を原点で連結した確率過程に対し, 平均片側滞在時間に関する極限定理を示す.
- 時間: 16:20 〜 17:50 (II)
- 講演者: 松浦 浩平 氏 (東北大学大学院理学研究科)
- 講演題目: horn shape領域上の反射壁ブラウン運動の緊密性
- 講演要旨: 緊密性は対称マルコフ過程に対して定義される概念である.
1 次元拡散過程が緊密性を持つこととそれが自然境界を持たないことは同値である. 従って,
緊密性を持つマルコフ過程は自然境界を持たない1次元拡散過程に近い. 本講演では,
horn shape領域上の反射壁ブラウン運動が緊密性を持つための十分条件を与え,そのスペクトル, エルゴード性について述べる.
- 日時/Date: 2018 年 10月1日(月曜) / 1 (Mon.) Octobor, 2018 台風24号の影響のため中止
- 場所/Place: 第 4 学舎 1 号館 2 階「数学科実験実習室」 / Mathematics Seminar Room, 2nd floor, 1st Bld., 4th School Area, Kansai Univ.
- 時間/Time: 16:20 - 17:50
- 講演者/Speaker: Moritz Kassmann (Bielefeld University, Germany)
- 講演題目/Title: Homogenization of Levy-type operators with oscillating coefficients
- 講演要旨/Abstract: We present results on the homogenization of L\'{e}vy-type operators with rapidly oscillating coefficients.
We consider cases of periodic and random statistically homogeneous micro-structures and show that in the limit,
a L\'{e}vy-operator is obtained. In the periodic case we allow for symmetric and non-symmetric kernels, whereas in the random
case we only investigate symmetric kernels. We also address nonlinear versions of the homogenization problem. The talk is based on a recent
preprint together with Andrey Piatnitski and Elena Zhizhina, see arXiv:1807.04371
- 日時: 2018 年 8月28日 (火曜)
- 場所: 第4学舎1号館1301教室
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 竹田 雅好 氏 (東北大学)
- 講演題目: シュレーディンガー型作用素のグリーン関数に対するポテンシャル論
- 日時: 2018 年 7月21 日 (土曜)
- 場所: 第4学舎1号館1301教室
- 時間: 15:00 〜 16:10 (I)
- 講演者: 鈴木良一 氏 (慶應義塾大学)
- 講演題目: カノニカルレヴィ過程に対する修正された対数ソボレフ不等式とその応用
- 講演要旨: 本講演では,カノニカルレヴィ過程に対する修正された対数ソボレフ不等式(MLSI)に関する結果を紹介する.
カノニカルレヴィ過程に対するマリアヴァン解析の性質を紹介したのち,
主定理であるMLSIの証明をクラーク・オコーン・ハウスマン型定理を用いた方法とオルンシュタイン・ウーレンベック作用等を用いた直接的な方法の二通りの方法で与える.
また,ウィーナー空間やポアソン空間等での対数ソボレフ不等式やポアンカレの不等式等が系として導出可能であることを示す.
さらに応用として,測度集中の不等式について述べる.本研究は佐久間紀佳氏 (愛知教育大学)との共同研究に基づく.
- 時間: 16:30 〜 17:40 (II)
- 講演者: 北川 潤 氏 (Michigan State Univ.)
- 講演題目: On the regularity and stability of the set of free discontinuities in optimal transport
- 講演要旨: Regularity of solutions in the optimal transport problem
require very rigid hypotheses (e.g., convexity of certain sets). In
more general cases one can consider the question of partial
regularity, that is an in-depth analysis of the structure of singular
sets. In this talk I will discuss the finer structure of the set of
``free singularities`` which arise in an optimal transport problem
from a connected set to a disconnected set. Some results will be on
the regularity and dimensionality of these sets, along with the
stability of such sets under suitable perturbations of the data
involved. Such results are proven via a non-smooth implicit function
theorem for convex functions, which is of independent interest. This
talk is based on joint work with Robert McCann.
- 日時: 2018 年 7月7 日 (土曜) 豪雨のため中止
- 場所: 第4学舎1号館1301教室
- 時間: 15:30 〜 17:00
- 講演者: 鈴木良一 氏 (慶應義塾大学)
- 講演題目: カノニカルレヴィ過程に対する修正された対数ソボレフ不等式とその応用
- 講演要旨: 本講演では,カノニカルレヴィ過程に対する修正された対数ソボレフ不等式(MLSI)に関する結果を紹介する.
カノニカルレヴィ過程に対するマリアヴァン解析の性質を紹介したのち,
主定理であるMLSIの証明をクラーク・オコーン・ハウスマン型定理を用いた方法とオルンシュタイン・ウーレンベック作用等を用いた直接的な方法の二通りの方法で与える.
また,ウィーナー空間やポアソン空間等での対数ソボレフ不等式やポアンカレの不等式等が系として導出可能であることを示す.
さらに応用として,測度集中の不等式について述べる.本研究は佐久間紀佳氏 (愛知教育大学)との共同研究に基づく.
2017年度
- 日時: 2018 年 1月27 日 (土曜)
- 場所: 第4学舎1号館1301室
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: Arturo Kohatsu-Higa 氏 (立命館大学理工学研究科)
- 講演題目: Unbiased Monte Carlo Methods for diffusions and its functionals.
The parametrix point of view
- 講演要旨:
In the present talk we will present the basics of the proposed method together with some related topics.
In particular, we will discuss first the Multi Level Monte Carlo method and the unbiased simulation method in one dimension.
Then we will proceed to explain the basics of the parametrix method from the stochastic point of view.
In particular, we will discuss the infinite variance problem for the first order method and then show how to solve
this problem using a second order method.
The presentation will start from very basic principles and will be based on joint works with V. Bally, P. Andersson and T. Yuasa.
- 日時: 2017 年 12月16 日 (土曜)
- 場所: 第4学舎1号館1301室
- 時間: 13:30 〜 15:00 (I)
- 講演者: 永沼 伸顕 氏 (大阪大学基礎工学研究科)
- 講演題目: Malliavin calculus for Dyson Brownian motions
- 要旨: 本講演では,Dyson Brown運動に対してMalliavin解析を適用した結果について報告する.
Dyson Brown運動はドリフト係数に特異性を持つ確率微分方程式の解として定式化されるが,その様な解に,
通常用いられる非退化の判定条件を適用して分布密度の存在や連続性を考察することは難しい.
そこで,Florit-Nualart (1995) の提唱した局所非退化と呼ばれる判定条件を用いることで,
Dyson Brown運動の分布密度の存在や連続性を示す.本研究は,田口大氏(大阪大学)との共同研究に基づく.
- 時間: 15:30 〜 17:00 (II)
- 講演者: 竹田 雅好氏 (東北大学理学研究科)
- 講演題目: 緊密性をもつ対称マルコフ過程における準定常分布の存在と一意性
- 要旨: 必ず消滅するとしても, ある時間スケールでは平衡状態を保っているようにみえる現象がある.
この様な現象を数学的にモデル化する方法として, 準定常分布をもつ生存時間有限なマルコフ過程がある.
数学的には準定常分布の存在と一意性, ヤグロム極限の存在が問題になる. 保存的でなく, ある種の緊密性を
もつ対称マルコフ過程に対しては, 準定常分布の存在と一意性が示せ, さらに内在的超縮小性を仮定すると,
ヤグロム極限になっていることを示す.
- 日時: 2017 年 10月 21 日 (土曜)
- 場所: 第4学舎1号館1301室
- 時間: 13:30 〜 14:30 (I)
- 講演者: 上原 啓輔 氏 (神奈川大学工学研究科)
- 講演題目: Zakai filter の有限次元射影空間における数値計算について
- 要旨: 時間とともに変化する物理現象を, 真の信号に雑音が加わった観測データをもとにして,
各時点ごとに順次推定する問題は, フィルターの問題と言われている. システム(信号過程)に線形性がない場合,
線形カルマンフィルターを適用しても, 良い結果は得られない. この改善策として, 非線形フィルターが必要である.
しかし, 非線形システムに対するフィルタリング問題(Zakai filter) は, カルマンフィルターに比べ,
扱いが著しく難しい. よって, 非線形フィルターの実行にはコンピュータによる効率の良い数値計算手法の開発が不可欠である.
Zakai filterを定義する Zakai 方程式は, 1969 年に発表されたが,当時の技術では実計算が不可能であった.
ここでは, 現代の処理技術に基づいた, Zakai の方程式の数値計算法を提案する.
- 時間: 15:00 〜 16:30 (II)
- 講演者: 野場 啓 氏 (京都大学理学研究科)
- 講演題目: On optimal periodic dividend strategies for Lévy risk processes
- 要旨: We revisit the optimal periodic dividend problem where dividend
payments can only be made at the jump times of an independent Poisson
process. Recent results have shown, in the dual (spectrally positive)
model, the optimality of a periodic barrier strategy where dividends
are paid at dividend-decision times if and only if the surplus is
above some level. In this paper, we show its optimality for a
spectrally negative Lévy model with a completely monotone Lévy
density. The optimal strategies and the value functions are concisely
written in terms of the scale function. Numerical results are also
given. (Joint work with J.L. Perez, K. Yamazaki and K. Yano)
- 日時: 2017 年 7月 8 日 (土曜)
- 場所: 第4学舎1号館 数学科実験実習室(大セミナー室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 赤堀 次郎 氏 (立命館大学)
- 講演題目: Supersymmetry in Wiener Space
- 要旨: ウィナーカオスがボゾン(ハイゼンベルグ代数)の表現を与えることはよく知られているが,
フェルミオン(クリフォード代数)の表現も与えることができることはあまり注目されていない.
この講演では後者を用いてフェルミオンのガウス積分(のようなもの)が確率面積を用いて
構成できるという結果(蓬原秀実氏による)を報告し,その応用として佐藤グラスマン多様体の
確率論的実現が得られることを報告する.また,まだ十分には解明されていないが
そのほかの確率論的実現(R. Friedrich らによるレブナー方程式を用いたもの,
池田信行氏,谷口説男氏,小谷真一氏によるもの等)との関係を考察したい.その中で,
指数定理との関係にも言及する予定である.
- 日時: 2017 年 6 月 17 日 (土曜)
- 場所: 第4学舎1号館1301室
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 畑 宏明 氏 (静岡大学)
- 講演題目: 一般的な非線形確率ファクターモデルを用いた保険会社の最適投資問題
- 日時: 2017 年 5 月 13 日 (土曜)
- 場所: 関西大学 第 4 学舎 1 号館 1301 教室
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 塩沢 裕一 氏 (大阪大学)
- 講演題目: Spread rate of branching Brownian motions
- 要旨: 多次元分枝ブラウン運動に対して,遠方で十分小さい測度を分枝率に持つならば,
拡散度があるシュレディンガー型作用素の固有値から定まることを示す。
この結果は Erickson (1984) および Bocharov-Harris (2014) の拡張にあたる。
2016年度
- 日時: 2017 年 2 月 25 日 (土曜)
- 場所: 関西大学 第 4 学舎 3 号館 3403 教室
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 桑江 一洋 氏 (福岡大学)
- 講演題目: Irreducible decomposition for symmetric Markov processes
- 要旨: 準正則対称ディリクレ形式または準正則局所半ディリクレ形式に対応する標準過程の枠組においてマルコフ過程の既約分解が成立することを報告する。
ここで既約分解とはマルコフ過程が既約なマルコフ過程の非可算直和で表現できることをいう。直和の意味は、異なる2つの既約成分の交差集合が容量正のときそれらが容量 0
集合を除いて一致することを意味する。マルコフ過程が基礎となる測度について絶対連続性の条件を満たすなら通常の意味での直和となる。
証明の鍵は Doob (1966) によって示された絶対連続性条件下で成立する古典的な quasi-Lindelöf 性質を拡張した weak quasi-Lindelöf 性質である。
この weak quasi-Lindelöf 性質は絶対連続性条件がなくても成立する形で一般的な右過程の枠組で Fitzsimmons-Getoor (1995) によって示された。
時間が許せば応用として既約性の仮定しない形でのファイマンカッツ半群のスペクトル半径の Lp-独立性について述べる。
- 日時: 2017 年 1 月 14 日 (土曜)
- 場所: 関西大学 第 4 学舎 3 号館 3403 教室
- 時間: 13:30 〜 15:00
- 講演者: 正宗 淳 氏 (北海道大学)
- 講演題目: H-convergence on Riemannian manifolds
2015年度
- 日時: 2016 年 2 月 20 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第4学舎1号館2階 201A (数学科共通実験実習室)
- 時間: 14:40 〜 16:10 (I)
- 講演者: 土田 兼治 氏 (防衛大学校)
- 講演題目:
Large deviations for some additive functionals
- 時間: 16:20 〜 17:50 (II)
- 講演者: Liping Li 氏 (中国科学院)
- 講演題目: Class of smooth functions in Dirichlet spaces
- 講演要旨:
Given a regular Dirichlet form $(\EE,\FF)$ on a fixed domain $E$ of $\mathbb{R}^d$, we first indicate that the basic assumption $C_c^\infty(E)\subset \FF$ is equivalent to the fact that each coordinate function $f^i(x)=x_i$ locally belongs to $\FF$ for $1\leq i\leq d$. In this talk, we will start from these two different viewpoints. On one hand, we shall explore when $C_c^\infty(E)$ is a special standard core of $\FF$ and give some useful characterizations. On the other hand, we shall describe the Fukushima's decompositions of $(\EE,\FF)$ with respect to the coordinates functions, especially discuss when their martingale part is a standard Brownian motion and what we can say about their zero energy part. Finally, when we put these two kinds of discussions together, an interesting class of stochastic differential equations are raised. They have uncountable solutions that do not depend on the initial condition.
- 日時: 2015 年 10 月 24 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第4学舎1号館2階 201A (数学科共通実験実習室)
- 時間: 14:40 〜 16:10 (I)
- 講演者: 三浦 佑介 氏 (東北大学)
- 講演題目: The conservativeness of Girsanov transformed symmetric Markov processes
- 講演要旨: 対称マルコフ過程に対して,対称性が保たれるようなギルサノフ変換を考える.元の過程が連続であるとき,
上の変換により得られる過程が保存的となる条件が既に知られている. 本講演では,元の過程がジャンプを持つ場合でも,
同様の条件の下で変換過程が保存性を持つことを証明する.
- 時間: 16:20 〜 17:50 (II)
- 講演者: 塩沢 裕一 氏 (岡山大学)
- 講演題目:Rate functions for symmetric Markov processes via heat kernel
- 講演要旨:
本講演は Jian Wang 氏 (Fujian Normal University) との共同研究に基づく。
本講演では,対称マルコフ過程の熱核評価に関する仮定の下で,
与えられた関数が upper/lower rate function となるための積分判定法を得る。
ここで upper/lower rate function とは,
対称マルコフ過程の保存性/(非)再帰性を定量的に表現した関数のことである。
- 日時: 2015 年 7 月 18 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第4学舎1号館2階 201A (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 盛田 健彦 氏 (大阪大学)
- 講演題目: Limit theorems for a class of dynamical systems
with quasi-compact Perron-Frobenius operators
- 日時: 2015 年 5 月 16 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第4学舎1号館2階 201A (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: Sergey Nadtochiy 氏 (University of Michigan)
- 講演題目: WEAK REFLECTION PRINCIPLE FOR MARKOV PROCESSES
- 講演要旨:
The classical Reflection Principle allows one to express the joint
distribution of a Brownian motion and its running maximum through the
distribution of the process itself. It relies on the specific symmetry
and continuity properties of a Brownian motion and, therefore, cannot
be directly applied to an arbitrary Markov process. I will show that,
in fact, there exists a weak formulation of this method that allows to
obtain similar results for Markov processes that do not posses any
strong symmetry. I will describe the general Weak Reflection Principle
and will prove its validity for diffusions and Levy processes. I will
also demonstrate the applications of this technique in Finance,
Computational Methods, and Inverse Problems.
2014年度
- 日時: 2015 年 1 月 29 日 (木曜)
- 場所: 関西大学第4学舎1号館2階 201A (数学科共通実験実習室)
- 時間: 14:40 〜 16:10 (I)
- 講演者: Li Liping 氏 (復旦大学)
- 講演題目: On structure of regular subspaces of 1-dim Brownian motion
- 講演要旨:
The main purpose of this paper is to explore the structure of regular subspaces
of 1-dim Brownian motion.As outlined in \cite{FMG} every such regular subspace
can be characterized by a measure-dense set $G$.When $G$ is open, $F=G^c$ is
the boundary of $G$ and, before leaving $G$, the diffusion associated with the
regular subspace is nothing but Brownian motion. Their traces on $F$ still
inherit the inclusion relation,in other words, the trace Dirichlet form of
regular subspace on $F$ is stall a regular subspace of trace Dirichlet form
of one-dimensional Brownian motion on $F$.Moreover we have proved that the
trace of Brownian motion on $F$ may be decomposed into two part, one is the
trace of the regular subspace on $F$, which has only the non-local part and
the other comes from the orthogonal complement of the regular subspace,
which has only the local part. Actually the former one is a non-local
Dirichlet form whereas the latter one has non-trivial local part.
The remaining information, i.e. the information of strongly local part
of trace Dirichlet form of one-dimensional Brownian motion on $F$,
is contained in the orthogonal complement of regular subspace corresponds
to a time-changed Brownian motion after a darning transform.
- 時間: 16:20 〜 17:50 (II)
- 講演者: Jose Luis Perez 氏 (Universidad Nacional Autonoma de Mexico, UNAM)
- 講演題目:
AFFINE PROCESSES AND MULTIPARAMETER TIME CHANGES
- 講演要旨:
In this talk we present a time change construction of affine processes
with state-space R^m_+×R^n . These processes were systematically
studied by Duffie, Filipovic, and Schachermayer since they contain
interesting classes of processes such as Lévy processes, continuous
branching processes with immigration, and of the Ornstein-Uhlenbeck
type. The construction is based on a (basically) continuous functional
of a multidimensional Lévy process which implies that limit theorems
for Lévy processes (both almost sure and in distribution) can be
inherited to affine processes. The construction can be interpreted as
a multiparameter time change scheme or as a (random) ordinary
differential equation driven by discontinuous functions. In
particular, we propose approximation schemes for affine processes
based on the Euler method for solving the associated discontinuous
ODEs, which are shown to converge.
- 日時: 2014 年 12 月 15 日 (月曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 16:20 〜 17:50
- 講演者: 一場 知之 氏 (UC Santa Barbara, US)
- 講演題目: Diffusions with rank-based characteristics and values in the
nonnegative quadrant
- 要旨: We construct diffusions with values in the nonnegative orthant, normal
reflection along each of the axes, and two pairs of local
drift/variance characteristics assigned according to rank; one of the
variances is allowed to vanish, but not both. The construction
involves solving a system of coupled Skorokohod reflection equations,
then ``unfolding” the Skorokhod reflection of a suitable
semimartingale in the manner of Prokaj (2009). Questions of pathwise
uniqueness and strength are also addressed, for systems of stochastic
differential equations with reflection that realize these diffusions.
When the variance of the laggard is at least as large as that of the
leader, it is whom that the corner of the quadrant is never visited.
- 日時: 2014 年 12 月 4 日 (木曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 16:20 〜 17:50
- 講演者: 富崎 松代 氏(奈良女子大学)
- 講演題目:
L´evy measure density corresponding to the inverse local time
of harmonic transformed diffusion processes
-
要旨:
一次元拡散過程の調和変換過程の、正則境界での逆局所時間に
対応するレヴィ測度の密度は、変換前の拡散過程の逆局所時間に
対応するレヴィ測度を用いて表現されることを紹介する。
また、拡散過程の特性量であるスピード測度の漸近挙動と、調和
変換過程の逆局所時間に対応するレヴィ測度の密度関数の
漸近挙動の関係についても紹介する。
- 日時: 2014 年 11 月 15 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 13:30 〜 15:00 (I)
- 講演者: 中島 誠 氏 (筑波大学)
- 講演題目: ランダム環境中の分枝ランダムウォークと確率熱方程式
- 要旨:
スーパーブラウン運動は臨界的な分枝ランダムウォークの極限過程として構成される測度値確率過程の一種であり,
特に1次元スーパー運動と確率熱方程式との関連はよく知られている.
本講演では漸近的に臨界的なランダム環境中の分枝ランダムウォークの極限過程として構成される測度値確率過程と確率熱方程式に関する話題を扱う.
- 時間: 15:20 〜 16:50 (II)
- 講演者: 塩沢 裕一 氏 (岡山大学)
- 講演題目:
A note on the lower escape rate of symmetric jump-diffusion processes
- 要旨:
空間内をランダムに動く粒子に対して,
無限遠点に逃げる速さを記述する関数を lower rate function という。
本講演では,正則ディリクレ形式から生成される
対称な飛躍拡散型マルコフ過程について,
与えられた関数が lower rate function となるための積分判定法を得る。
また,対称マルコフ過程の時間変更過程の upper/lower rate function を,
元の確率過程のそれらから具体的に導出できることを紹介する。
- 日時: 2014 年 10 月 14 日 (火曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 14:40 〜 16:10 (I)
- 講演者: Vera Schade (TU Dresden)
- 講演題目:An exploratory approach to fashion retail
- 要旨:
What do a plaid shirt and a red jacket in a store have in common,
and how can we take such similarities into consideration when it comes to
choosing the upcoming season's range of articles?
In times of big data and powerful computing, many methods are known to
tackle such a question. So do we really need a deeper understanding of
the matter, or will it suffice to deduce an estimate from given historical
data? In this talk on a current work in progress, we will explore obvious
as well as more hidden aspects to the questions above based on specific
sales data in fashion retail.
- 時間: 16:20 〜 17:50 (II)
- 講演者: Julian Hollender (TU Dresden)
- 講演題目: G-Brownian Motion - Brownian Motion with Variance Uncertainty
- 要旨:
We will discuss the notion of nonlinear expectation spaces and related results,
to introduce Brownian motion under volatility uncertainty as in [1].
This so-called G-Brownian motion and the canonical pathspace G-expectation have a
strong connection to certain nonlinear second-order partial di erential equations,
which allow us to evaluate risk bounds for applications with distributional uncertainty.
Even more, it is possible to formulate and solve important problems, such as SDEs or
BSDEs, with respect to G-Brownian motion, c.f. for example [2] or [3]. The aim of
this talk is to present the involved concepts and to give an overview over possible
applications.
[1] Peng, Shige. ''G-expectation, G-Brownian motion and related stochastic calculus of
Ito type." Stochastic analysis and applications. Springer Berlin-Heidelberg, 2007. 541-567.
[2] Hu, Ze-Chun, and Ling Zhou. "Multi-dimensional central limit theorems and laws of
large numbers under sublinear expectations." arXiv preprint arXiv:1211.1090 (2012).
[3] Zheng, Zhonghao, Xiuchun Bi, and Shuguang Zhang. "Stochastic Optimization Theory of
Backward Stochastic Differential Equations Driven by G-Brownian Motion." arXiv preprint
arXiv:1306.0176 (2013).
- 日時: 2014 年 7 月 26 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 鈴木 康平 氏(京都大学)
- 講演題目: A complete metric among pairs of compact metric spaces and probability measures on paths spaces
- 要旨:
コンパクト距離空間$X$と, $X$の道の空間上の確率測度$P$の組$(X,P)$の同型類からなる空間$\mathcal {PM}$上に,
Lipschitz-Prokhorov距離$d_{LP}$という距離を導入します. これは, 空間の収束と確率測度の収束を同時に測る距離で,
ラフに言えば空間の距離はLipschitz距離で測り, 確率測度の距離はProkhorov距離で測るものです. そして,
$(\mathcal {PM}, d_{LP})$は完備距離空間となることを示します. また, $\mathcal {PM}$の部分集合で,
$X$がリーマン多様体で, $P$がマルコフ過程の法則となるような部分集合が相対コンパクトとなるための十分条件を与えます.
さらに, その部分集合の中の列が収束するための十分条件を与えます.
- 日時: 2014 年 7 月 19 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 上村 稔大 氏(関西大学)
- 講演題目: Note on a conservativeness of non-local semi-Dirichlet forms
- 日時: 2014 年 6 月 7 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 北川 潤 氏(University of Toronto, Canada)
- 講演題目: 多項部分輸送問題に関して
- 要旨:最適輸送(Monge-Kantorovich)問題とは二つの与えられた確率測度のカップリングを、与えられた輸送コストを最小化するようにもとめる問題である。その汎用性により、輸送問題は近年多くの研究者から注目を浴びている。さらにここ数年、輸送問題の二種類の一般化が考えられている。それらは三つ以上の確率測度のカップリングを求める「多項輸送問題」、及び二つの測度の部分測度(submeasure)を選びカップリングを求める「部分輸送問題」であり、どちらも従来の輸送問題とは大きく違った面を持つ。本講演ではそれらをさらに組み合わせた「多項部分輸送問題」を紹介する。詳しくは、解の一意性のための必要充分条件、および部分輸送問題との性質の違いについて述べる。この講演は
B. Pass氏(University of Alberta)との共同研究に基づく。
2013年度
- 日時: 2014 年 2 月 15 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 竹田 雅好 氏 (東北大学 大学院理学研究科)
- 講演題目: On Criticality for Generalized Schrödinger Forms
- 日時: 2013 年 11 月 9 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 本多 正平 氏 (九州大学数理学研究院)
- 講演題目: リッチ曲率と Lp 収束
- 要旨:リッチ曲率が下に有界なリーマン多様体族はグロモフ・
ハウスドルフ位相によってコンパクト化できることが知られている.
本講演ではその枠組みで,空間とその上のテンソル場の組に対するLp収束の概念を導入し,その基本性質と,その応用を述べる.
- 日時: 2013 年 10 月 5 日(土曜日)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 15:40 (I)
- 講演者: 井上 潔司氏 (成蹊大学経済学部)
- 講演題目: ランダム構造体上の離散分布論
- 時間: 15:50 〜 16:30 (II)
- 講演者: 内田 雅之氏(大阪大学基礎工学部)
- 講演題目: 離散観測に基づく確率微分方程式の適応型推定
- 日時: 2013 年 7 月 20 日(土曜日)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:00 (I)
- 講演者: 山崎 和俊氏 (関西大学システム理工学部)
- 講演題目: Inventory Control for Spectrally Positive Levy Demand Processes
- 要旨: We revisit the single item continuous-time inventory model.
In the same problem setting as in Bensoussan et al. (2005), we show
the optimality of an (s,S)-policy for a general spectrally positive Levy
demand process. Using the fluctuation theory of spectrally one-sided
Levy processes, we express the value function analytically using the
scale function. Numerical examples under a Levy process in the
beta-family with jumps of infinite activity are provided to confirm the
analytical results. The case with no fixed ordering cost is also studied.
- 時間: 16:10 〜 16:40 (II)
- 講演者: 上村 稔大 (関西大学システム理工学部)
- 講演題目: Mosco convergence of Symmetric Levy Processes
- 日時: 2013 年 6 月 15 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 北川 潤 氏 (Department of Mathematics,
University of British Columbia, Canada)
- 講演題目: 最適輸送問題の非正則性に関して
- 要旨: 最適輸送問題(Monge-Kantorovich問題)はY. Brenierの研究によりMonge-Amp\'{e}re
型方程式と密接な関係にあることが知られており、近年PDE理論の応用により解の正則性に関しての解析が進められている.
特にX. Ma、 N. Trudinger、 X-J. Wang及びG. Loeperの研究結果をL. Caffarelliによる古典的なMonge-Amp\'{e}re
方程式の理論と組み合わせることにより正則性の理論は飛躍的な進歩をとげた.
一方、CaffarelliはMonge-Amp\`{e}re方程式の解が正則性を持たない場合でもその特異点の性質を特定できる場合があることを発見した.
詳しくは、R^n 上で定義された凸関数のMonge-Amp\`{e}re測度が上から有界である場合、
劣微分のアファイン次元がn/2より小さいことを示した.ここでは輸送問題の基礎的な紹介をした後、上記のCaffarelliの結果を別の手法で導き、
更に一部の最適輸送問題へと拡張できることを示す.本講演はY-H. Kim(ブリティッシュコロンビア大学)との共同研究をもとにしている.
- 日時: 2013 年 6 月 8 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 正宗 淳 氏 (東北大学 大学院情報科学研究科)
- 講演題目: 測度空間上の対称マルコフ過程の保存則および再帰性のグリーンの公式による特徴付け
- 要旨: ディリクレ形式の理論を用いた最近の研究により、
体積増大があまり大きくない空間上の対称マルコフ過程は保存的および再帰的であることが明らかにされている。一方、
多様体の無限遠があまり大きくないと、十分多くのテスト関数に対してグリーンの公式における無限遠の境界積分が消えることが知られている。
本講演では、対称マルコフ過程の保存則および再帰性をグリーンの発散定理により特徴付ける。
- 日時: 2013 年 5 月 11 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 福島 竜輝 氏 (京都大学数理解析研究所)
- 講演題目: Annealed Brownian motion in heavy tailed Poissonian potential
- 日時: 2013 年 4 月 27 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 近藤 昌也 氏 (大阪大学大学院基礎工学研究科)
- 講演題目: 最適消費投資問題における粘性解でのアプローチ
- 要旨:
本研究は有限時間範囲での多次元ファクターモデルにおける最適消費投資問題について扱った.
最適消費投資問題とは投資家が市場への投資と資産の消費が可能な場合に,
与えられた投資期間までに投資家の現在から将来にわたって得られる効用を最大化するための
最適な消費と投資を求めることである. 本研究ではベキ型効用関数を用いた値関数から形式的に導かれる
Hamilton-Jacobi-Bellman方程式(HJB方程式)に対して粘性解の比較定理,
および弱解の構成について説明する.
2012年度
- 日時: 2012 年 12 月 15 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 桑田 和正 氏 (お茶の水女子大)
- 講演題目: Monotonicity of time-dependent transportation costs
and coupling by reflection
- 日時: 2012 年 10 月 20 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 竹田 雅好氏 (東北大学理学研究科)
- 講演題目:A Variational Formula for Dirichlet Forms and Existence of Ground States
関西大学 確率論 Workshop (Workshop on Probability at Kansai University)
日時: 2012 年 9 月 29 日 (土曜)
場所: 関西大学第四学舎三号館 3403教室
- 11:00 - 11:40 土田兼治 (防衛大学校)
On harmonic functions for critical Schr\"odinger operators
- 11:50 - 12:30 阿部圭宏 (京都大学)
Cover times and graph structures
- 14:30 - 15:10 Marcel Schmidt (University of Jena, Germany)
Asymptotic stability of Markovian semigroups on $\ell^1$
- 15:30 - 16:10 Xue ping Huang (Bielefeld University, Germany)
An analytic approach to stochastic completeness of weighted graphs
- 16:20 - 17:00 白石 大典 (京都大学)
Random walk on non-intersecting two-sided random walk trace is subdiffusive in low dimensions
- 17:10 - 17:50 Rene L. Schiling (TU Dresden, Germany)
Stability of functional inequalities under subordination
- 日時: 2012 年 7 月 14 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実験実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 加藤 恭 氏 (大阪大学基礎工学研究科)
- 講演題目: An Optimal Execution Problem with Market Impact
- 要旨:
「保有している金融商品を執行 (売却) する際、
その売却量が大規模である場合には自身の売買行動が商品価格に影響を与えてしまう、
というマーケットインパクトと呼ばれる流動性の問題の一種を考慮する事が重要となる。
本発表では、マーケットインパクトを考慮した市場モデルにおける最適執行
(流動化) 問題を確率制御問題として定式化し、対応する値関数の諸性質を調べる。
具体的には、離散時間モデルにおける最適執行問題を与えた後、
その極限として連続時間の最適執行問題の値関数を導出する。
また、マーケットインパクトがどのような時にトレーダーの取引行動に本質的な影響を与えるかを調査するため、
いくつかの具体例を用いてケーススタディーを行う。」
★ なお,加藤 氏には,上記講演に先立って院生・学部生向けの入門として
次のような特別講義も併せて行ってもらうことにしています.
時間: 13:00 〜 14:30
- 講演者: 加藤 恭 氏 (大阪大学基礎工学研究科)
- 講演題目: 最適投資問題入門
- 要旨:
「数理ファイナンスにおける重要な問題の一つである最適投資問題は数学的には確率制御理論の枠組みで定式化する事が出来る。
本発表では、まず単純な離散時間最適化問題について解説し、その最適解 (投資戦略) の極限として連続時間の最適投資問題を扱う <
(厳密な議論は難解となってしまうため、雰囲気のみ概説する)。
また、実務において重要視されている「流動性の問題」についても扱い、
これを通じて数理ファイナンスの金融実務における役割について説明する。
なお、本発表では公理論的確率論は用いず、微積分
(と高校レベルの確率論) の知識のみを前提とした解説を行う予定である。」
★ なお,貝瀬氏には,上記講演に先立って,院生・学部生向けの入門として
次のような特別講義も併せて行ってもらうことにしています.
- 時間: 13:00 〜 14:30
- 講演者: 貝瀬 秀裕 氏 (大阪大学基礎工学研究科)
- 講演題目: 離散時間確率制御と動的計画法
- 要旨:
「制御理論で基本的な手法である動的計画法を、
離散時間確率制御問題を通じて説明する。」
- 日時: 2012 年 4 月 21 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 結城 郷 氏(立命館大学理工学研究科)
- 講演題目: Local and Global Hölder Properties of the Density of the Solutions of SDEs with Singular Coefficients
- 講演要旨
2011年度
連続講義
日時: 2012 年 2 月 29 日 (水曜) 〜 3 月 2 日 (金曜)
場所: 関西大学第四学舎三号館 3403教室
講師: 熊本大学名誉教授 大島 洋一 先生
講義テーマ: 非対称半ディリクレ形式の最近の発展
講義日程:
- 第 1 回: 2 月 29 日 15:00 〜 16:10
- 第 2 回: 3 月 1 日 10:30 〜 11:40
- 第 3 回: 3 月 1 日 13:30 〜 14:40
- 第 4 回: 3 月 1 日 15:00 〜 16:10
- 第 5 回: 3 月 2 日 10:30 〜 11:40
- 第 6 回: 3 月 2 日 13:30 〜 14:40
☆ 3月1日は,講義終了後大島先生の歓迎会を開催予定です.
参加を希望される方は上村(t-uemura @ kansai-u.ac.jp)
までご連絡下さい.
★ 対象は,主に修士や博士の学生,または若手研究者と
考えております.
周りのMC・DCや若手研究者の方で興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら周知頂くようお願いします.
日時: 2012 年 2 月 11 日 (土曜)
場所: 関西大学第四学舎三号館 3403教室
- 13:10 - 13:50 永幡 幸生 氏 (新潟大学工学部)
An estimate of spectral gap for simple exclusion process with degenerate rates
- 14:00 - 14:40 嶽村 智子 氏 (奈良女子大学理学部)
Lévy measure density corresponding to inverse local time
- 14:50 - 15:30 Panki Kim 氏 (Seoul National University)
Dirichlet Heat kernel estimates for relativistic stable processes
- 15:50 - 16:30 塩沢 裕一 氏 (岡山大学自然科学研究科)
Conservation property of symmetric jump-diffusion processes
- 16:40 - 17:20 楠岡 誠一郎 氏 (京都大学理学研究科)
Malliavin calculus for stochastic differential equations driven by
subordinated Brownian motions
☆ 18:30 頃より関西大学近辺において懇親会を予定しております.
参加ご希望の方は,(上村:t−uemura @ kansaiーu.ac.jpまで)ご連絡下さい.
- 日時: 2011 年 10 月 22 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 高岡 浩一郎 氏(一橋大学商学研究科)
- 講演題目: 数理ファイナンスの基本定理について
★ なお,高岡氏には,上記講演に先立って,院生・
学部生向けの入門として次のような特別講義も併せて行ってもらうことにしています.
- 時間: 13:00 〜 14:30
- 講演者: 高岡 浩一郎 氏(一橋大学商学研究科)
- 講演題目: 数理ファイナンス入門
- 要旨:
「ファイナンスについての予備知識がゼロの方に Black-Scholes
式や先般の金融危機あたりまで解説をする」
- 日時: 2011 年 10 月 8 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 楠岡 誠一郎 氏(京都大学理学研究科)
- 講演題目: Diffusion Processes in Thin Tubes and their
Limits on Graphs
日時: 2011 年 7 月 23 日 (土曜)
場所: 関西大学第四学舎三号館 3403教室
- 12:50 - 13:20 日野正訓 (京都大学)
強局所ディリクレ形式に付随した可微分的な構造について
- 13:30 - 14:00 金子 宏 (東京理科大学)
p 進整数環でのある擬似乱数についての試論
- 14:10 - 14:40 金 大弘 (熊本大学)
On a gaugeability for generalized Feynman-Kac functional and its applications
- 14:50 - 15:20 桑江一洋 (熊本大学)
Large deviations for generalized Feynman-Kac functionals
- 15:40 - 16:10 竹田雅好 (東北大学)
対称マルコフ過程のエルゴード性と準定常分布
- 16:20 - 16:50 矢野孝次 (京都大学)
フェラーの境界条件を持つ一次元拡散過程について
- 17:00 - 17:40 福島正俊 (大阪大学)
1 次元拡散過程の一般境界条件再考: C-理論からL2-理論へ
☆ 19:00 より懇親会(千里阪急ホテル: 会費 10000円)を予定しております.
参加ご希望の方は,22日までに (上村まで)ご連絡下さい.
- 日時: 2011 年 6 月 11 日 (土曜)
- 場所: 関西大学第四学舎二号館 実験棟一階 (数学科共通実習室)
- 時間: 15:00 〜 16:30
- 講演者: 須崎 清剛 氏(大阪大学理学研究科)
- 講演題目: Harmonic measures of leafwise Brownian
Motions on a class of mapping tori
過去の講演は,随時 up するようにします.